与佐ヱ門の一年
与佐ヱ門の一年は秋から始まります。梨の樹は、果実収穫後に根からたくさんの栄養分を吸収し、貯蔵養分として樹の中に蓄えた状態で葉を落とし12月〜3月中旬まで休眠します。動物で言う熊の冬眠と言う様な事です。


お礼肥え  収穫直後の疲れた樹に栄養を与えます。
※幸水・豊水・新高の果実がそれぞれ7〜8割収穫した時点で施肥する。
元 肥 自身で作った完熟堆肥を、農場全体に撒く。
微生物が増え、保水性のある柔らかい土にします。
堆肥作り 籾殻・おから等を堆肥小屋に搬入し、
この時期から約2年かけて堆肥を作ります。
堆肥作り| 写真1 | 写真2 |
剪  定 春から秋にかけて生育した枝の中から必要な枝を残し、
残した枝は棚に誘引する。
剪定| 写真1 | 写真2 | 写真3 | 写真4 |
春は梨の樹が休眠から覚め、根が伸び始め土の中の水分を吸収すると共に貯蔵養分を使い芽を出し花を咲かせ新梢(しんしょう)を伸ばし葉が大きくなり果実ができます。


芽出し肥え その年の樹の状態・天候によって少量の肥料を与え、
春先の生育を旺盛にさせます。
灌 水 天候によって人工的に農場全体に水をたっぷりまきます。
※この作業は、年間を通して必要な時に行ないます。
灌水| 写真1 |
芽の整理 余分な芽を切除し、重要な芽に養分がたっぷり行くようにします。
※芽には、花芽・葉芽があり花芽には花が咲き果実がなります。この場合の芽は花芽を指します。
花粉取り 花がフウセン状に膨らんだところで花を摘み、そこから葯(やく)を取りだし開葯機(26℃〜28℃)の中に入れ約24時間かけて花粉を取出します。取出した花粉は−30℃で保存します。
※保存した花粉は翌年の授粉に使います。
 蕾 | 写真1
葯採り| 写真1 | 写真2 | 写真3 | 写真4 |
開葯機| 写真1 | 写真2 |
花粉精製 昨年採取した花粉を冷凍庫から出し専用の液体に入れて純花粉の状態にします。その後、純花粉を吸湿させ石松子に混ぜ完成。ラブタッチに入れて受粉を行います。
花  粉| 写真1 | 写真2 |
花粉抽出| 写真1 | 写真2 |
花粉吸湿| 写真1 |
石 松 子| 写真1 |
授 粉 前年保存した花粉にシダの胞子を混ぜ花に授粉を行ないます。与佐ヱ門では、ラブタッチと言う機械を使用します。梨の花は新高・豊水・幸水と収穫の遅い順に開花します。
※シダの胞子は比較的に梨の花粉と粒子が同じため、増量剤の意味で使用します。
※梨は同じ品種間では授精が成立しないため、異品種の花粉を使用します。
  新高 ⇒ 幸水・豊水・二十世紀・長十郎 他
  豊水 ⇒ 幸水・二十世紀・長十郎 他
  幸水 ⇒ 豊水・二十世紀・長十郎 他
授 粉| 写真1 | 写真2 |
幸水花| 写真1 | 写真2 | 写真3 | 写真4 |
摘 果 授粉後、約7日間程で果房(花びらの下辺り)が膨らみ果実が育ち始めます。この時期に余分な果実を落とし1本の樹に何個の梨を成らせるか決めます。
※摘果作業をいかに早く進めるかで、収穫時の果実 の大きさが決まります。
果 実| 写真1 | 写真2 | 写真3 | 写真4 | 写真5 |

収穫までの数ヶ月間は、変形果実を落したり新梢管理など細かい作業を行ないます。
与佐ヱ門の農場は、樹の間隔をたっぷり空けてあり、葉一枚一枚に十分太陽光が当るため、この時期果実がぐんぐん大きくなります。
網張り| 写真1 | 写真2  | 草刈り | 写真1 |
実りの夏は、いよいよ梨の収穫です。幸水・豊水・新高の順に収穫が始ります。収穫は雨が降っても台風がきても休まず行ないます。毎朝5時から約2時間で、数百〜数千個の果実を収穫します。朝採りの梨は必ず、その日に全国のお客様へ配送致します。樹に梨の実が1個も残ってない状態が1年の終りです。そして秋から土作り・・・また与佐ヱ門の1年が始ります・・・。
※年間を通じて、ここに記してない作業が沢山あります。
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