有機質肥料のQ&A
Q 有機質肥料って何?
Q 有機質肥料ってどんな効果があるの?
Q 「アミノ酸」・「核酸」って何?
Q 有機質肥料の種類で違いはあるの?
Q 有機質肥料の欠点は?
Q 有機質肥料の上手な使い方を教えて!

Q 有機質肥料って何?
A 有機質肥料とは、動物や植物から作られる肥料のことです。
鉱物を加工したり、化学的に合成さえて作られるものは無機質肥料といいます。


この後、普通肥料としての有機質肥料についてご説明いたします
▲このページのTOP

Q 有機質肥料ってどんな効果があるの?
A 有機質肥料は、無機質肥料のようにすぐには効かず、微生物に分解されながら徐々に効いてきます(緩効性)。つまり、長効きして、肥料が無駄になりにくく、濃度障害を抑え、作物の健全育成にも役立ちます。また、有機質肥料には、多くのミネラル(微量要素)が含まれていますので、品質向上にも役立ちます。さらには、微生物の餌になることで、有用微生物の繁殖を促進します。

▲このページのTOP

Q 「アミノ酸」・「核酸」って何?
A 「核酸」は、生物の遺伝子(DNA・RNA)のことです。「アミノ酸」は、有機質肥料のチッソ源である、「タンパク質」を構成している物質です。
「核酸」も「アミノ酸」も、通常の有機質肥料の中に豊富に含まれています。有機質肥料の種類によって、含まれるアミノ酸は異なりますが、どれも作物の育成に大きく貢献します。

▲このページのTOP

Q 有機質肥料の種類で違いはあるの?
A 有機質肥料は、そのアミノ酸組成や含有しているミネラルなどにより、効果や肥効が異なると言われています。肥効は、高タンパク(高チッソ)のもの、低油分のものの方が早く効き、また植物系より動物系の方が比較的早く効く傾向があります。代表的な有機質肥料の効果例を下に挙げます。
作物名 品質とポイント 品質に関わる有機質肥料の序列
要素 要因
水稲 食味 粘り(アミノペクチン) 乾血>フェザーミール>骨粉>魚粕>なたね粕
野菜

果樹
食味 糖度 魚粕>骨粉>フェザーミール>皮粉>なたね粕
歯ざわり
(果肉の細胞構造)
骨粉>フェザーミール>皮粉>なたね粕
形状 色つや なため粕>魚粕>骨粉
貯蔵性 日持ち(エチレン発生量)
(クロロフィルの消失)
なたね粕>骨粉>魚粕>皮粉
風味 香り、渋味
(カフェイン・タンニン)
なたね粕>魚粕>大豆粕
タバコ 風味 香り、喫味(葉の仕上がり) なたね粕
▲このページのTOP

Q 有機質肥料の欠点は?
A 有機質肥料は、その組成上(炭素、水素、酸素などを多く含むため)、無機質肥料に比べ、肥料成分は低くなっています。成分単価でいえば、高価なものとなります。また、緩効性という肥効特性から、効かせたいときに効かせられないという欠点もあります。植物性の有機質肥料では、施肥直後に播種を行うと発芽障害を引き起こしやすくなります。無機質肥料に比べ、特有の臭いがあるのも、有機質肥料の欠点といえば欠点です。(化学肥料は、海外市況で大きく変動するが有機質肥料は変動が少なく、安定した価格で推移)
▲このページのTOP

Q 有機質肥料の上手な使い方を教えて!
A これまで見ていただいたような、有機質肥料の特性を生かすために、以下の点を考慮して使ってください。
1.播種・定植の1〜2週間前には施用する。
2.多肥は行わない。(特に施設栽培)→ガス障害回避
3.求める効果を考えて、何種類かを混合して使う。
4.初期の肥効が劣るので、無機質肥料と併せて使う(特に追肥)。
5.続けて使用する(地力向上・効果アップのため)。

参考資料/主なアミノ酸の効用、作用
アミノ酸名 効果
ロイジン 弱い苦みをもった旨味を作る。色をよくする。
メチオニン 植物性ホルモン(エチレン)の源。
トリプトファン 植物ホルモン(オーキシン)の源。
アラニン 旨味を増す。
グルタミン酸 旨味をつくる。耐寒性を高める。
プロリン 優勢花を作り、着花を良くする。
リジン 植物の重要な栄養素。
フェニルアラニン 柔らかい苦みをもった旨味を作る。
アルギニン 植物ホルモン(サイトカイニン)の源。
アスパラギン酸 植物のアミノ酸合成に必要。
グリシン 旨味を作る。 耐寒性を高める。
セリン 旨味の元になる。
▲このページのTOP
参考:「もえぎ 2010年春号」朝日工業株式会社
戻り