日本列島にあった三種類の野生ナシ
1910年代の調査研究によると、日本の野生ナシは次の三種とされる。
イワテヤマナシ アオナシ マメナシ
イワテヤマナシ
(種名:アロマティカ)
アオナシ
(種名:ホンドエンシス)
イワテヤマナシ
(種名:アロマティカ)
東北一帯に広がる野生種と考えられているが、岩手県の山中には群生も見られる。耐寒性が強く、果実は3〜4センチ、黄緑〜赤褐色。円形で、果実の尻(本当は果頂)にガク片が残る(有蒂果)のが特徴。アオナシほど野性味は強くなく、自然交雑によって栽培品種がいくつか生まれている。これも秋子梨に近い特徴を持つとされている。 長野県の八ヶ岳山麓と小縣郡、山梨県の富士山麓に分布。標高1000メートル以上の高原に自生する、寒地の野生種である。果実は2〜3センチ、緑黄〜黄緑色で、野性味が強い。中国の東北部から朝鮮半島の北部に自生する秋子梨(種名:ウスリエンシス)にたいへん近い特徴を持つとされる。果実の特徴から、二つのタイプがある。 東北一帯に広がる野生種と考えられているが、岩手県の山中には群生も見られる。耐寒性が強く、果実は3〜4センチ、黄緑〜赤褐色。円形で、果実の尻(本当は果頂)にガク片が残る(有蒂果)のが特徴。アオナシほど野性味は強くなく、自然交雑によって栽培品種がいくつか生まれている。これも秋子梨に近い特徴を持つとされている。
1.『名古屋地方に於ける野生梨に就て』(上林諭一郎/園芸之研究18巻/1922)
2.心室とはタネができる部屋のこと。ほとんどの日本ナシは5心室である。
3.『日本梨の学名に就て』(菊池秋雄/園芸之研究15巻/1919)
戻り